安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

高松悟峰和上語録・上巻・この度のうけあいては仏より

広島市に、洗心書房という書店があります。仏教書を専門に取り扱っている書店です。
この書店では、店主の方が個人的にすでに絶版になった本を復刊されています。この8月に、広島市の真宗学寮の創設者である高松悟峰和上の語録が復刊されました。amazonや楽天ブックなどでは取り扱いがないので、紹介したいと思います。

今月広島に行った際、洗心書房さんに行き上巻を購入しました。下巻は「お金が貯まったら出版します」とのことでした。

最近のコメントに関係する文章があったので、以下紹介します。

この度の請け合いては仏

ある学生が不治の病気と言うことを医者に宣告されて、自分の後生がきにかかってきた。そこへ、途中で原口針水師にあったので、どうしても後生に安心が出来ぬ事をいろいろと訴えました。。
聞いておられた原口師は、ふっと別れて帰られようとされます。
学生、師の袂を押さえて「まぁ待って下さい。あなたはどうなされますか」
針水師すげなく「お前はばかじゃ。お前のような外道根性のものには何も教えられぬ」
学生は泣いて、「どうぞ教えて下され」とたのむ。
針水師なおも立ち去られようとされる。
学生「今は一生懸命にたのみます」
そこで針水師は言葉を改めて言われました。「お前は、病気が治らぬと言ったその医者の言葉を信じるが、医者は人間である。凡夫の人間の言葉が信じられて、本師法王の阿弥陀様が、法界界の諸仏を証拠に立てて助けるぞと請け合って下さる。その お言葉を疑う者は俺は何も教えることがない」
この一言で、学生はハッと気づきました。ーー有名なお話であります。(高松悟峰和上語録・上巻P220より)

阿弥陀仏はただ今救うといつでも仰せです。
「まずは自力をおこしてから」
「まずは因果の道理を知ってから」などと言う人の言葉を信用して、阿弥陀仏の仰せを聞かないのは、阿弥陀仏に対して大変申し訳ないことです。


参照リンク
洗心書房