安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

「ふっと助かることはない」のではなく「ふつと助かることあるべからず」(頂いた質問)

南無阿弥陀仏も昔から私に届いていたのでしょうか。今も届いているのでしょうか。届けらているのでしょうか。
あとはただ,そのまま,ふっと信じさせてもらえるかどうかだけなのでしょうか。(頂いた質問)

「ふっと信じさせてもらえる」という言葉についてですが、御文章5帖目2通のお言葉から来ているのだとおもいますが、「ふつと」であって「ふっと」ではありません。

されば聖人(親鸞)の御ことばにも、「一切の男女たらん身は、弥陀の本願を信ぜずしては、ふつとたすかるといふことあるべからず」と仰せられたり。(御文章5帖目2通・八万の法蔵

(大意)されば親鸞聖人のお言葉にも、「すべての人は、阿弥陀仏の本願を信ずる身にならねば、絶対に助かるということはない」と仰っています。

「ふつと」と「ふっと」の意味の違いは以下の通りです。

「ふつと」………(打ち消しの言葉を伴ってもちいる)まったく。さっぱり。
「ふっと」………不意に。ふと。

私を常に助けようと、阿弥陀仏は働いておられるのですから、そのお働きは、昔から今までずっとお働きです。
ただ今働かれる阿弥陀仏の願力に、ただ今救われます。
そのままの救いであり、ただ今の救いです。「あとは」ではなく、今救われるのですから。