「自力の心に驚く」という回答がありましたが，このことについてもう少し詳しく教えて頂けないでしょうか。
また，自力の心のことを阿弥陀仏の本願を疑う心，疑情ということも述べられていましたが，実感として私はこれが救いの邪魔をしているというふうには思えないのです。救われていないのだから疑っているという事実は分かります。ですがこれ一つが邪魔をしているから棄てなければならないというふうには思えないのです。別に疑っていても，それを取り除いて助けて下さるのが弥陀の本願ではないかと思っているのです。間違っているのでしょうか。（頂いた質問）
回答します。
自力の心のこと、疑情ともいわれています。
これ一つで、生死を離れることができないのだと言うことは、正信偈に言われているとおりです。
還来生死輪転家(生死輪転の家に還来することは）
決以疑情為所止（決するに疑情を持って所止となす）（正信偈）
そこで、実感がないということについてですが、「自力の心に驚く」と書きましたが、実感されるときはあると思います。ただ、実感しなければならないとか、実感がなければ救われないということではありません。
「救いの邪魔」という言い方は、救う方からいわれることです。
阿弥陀仏の方からの見た言い方で今回は書きますと、今救おうとされている阿弥陀仏からすれば「これ一つが現在ただ今の救いを妨げている」とみられているということです。
言われるとおり、疑情を取り除いて助けて下されるのは阿弥陀仏の仕事です。
自力の心が邪魔になるという実感は、阿弥陀仏の御心を願力によって思わせていただけると言うことになります。
