前回のエントリーについてメールを頂きました。有り難うございました。
自力の心は起きるときは起きるものですとお聞きしましたが、それはやはり、起きるまでには時間が掛かるということではないのですよね？
そこを問題にせず、ただ今救う阿弥陀仏に、ただ今救われようと向かうのでしょうか？(メールで頂いた質問より抜粋）
回答します。
自力の心が問題になるのに、時間がこれだけかかるということはありません。時間がこれだけ必要という条件があるとすれば、その「時間」が往生の手助けとして必要だと言うことになります。
私たちを助ける南無阿弥陀仏の働きには、欠けているところはありません。欠けているところを私が補わなければならないというものではありません。
如来、清浄の真心を以て、円融･無碍･不可思議･不可称･不可説の至徳を成就したまえり。（教行信証信巻）
親鸞聖人が南無阿弥陀仏について「円融・無碍・不可思議・不可称・不可説の至徳」といわれ、しかも「成就したまえり」ですから、すでに完成しています。未完成なものではありません。
山口善太郎さんの歌のように、妙好人と言われる方の自力の心をどうしたら捨てられるかという心情告白を読みますと、早くあのようにならなければならない、早くあのような心にならなければならないと思います。しかし、「早く○○のような心にならねば」というのは、結果として手段が先となっているので、間違いです。
自力の心は、阿弥陀仏の救いに向かったときに、自らの三業をあて力にして、往生の足しにしようとする心です。先に来るのは、阿弥陀仏に向かうことです。いつそのような心が問題になるかという考えは、「自力の心が問題になってから助かる」と、ただ今の救いにステップを挟む心ですから間違いです。
向かうべきは、弥陀の救いであり、南無阿弥陀仏の名号です。
ただ今救う本願に、ただ今救われて下さい。
