安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

「後生助けたまえ」とは、ただ今助けたまえ(メールの質問)

メールで質問を頂きました。有り難うございました。

御文章によく「後生助けたまえ」と弥陀をたのめ、とあります。この「後生助けたまえ」とはどんな心でしょうか?
(メールでの質問)

結論からいいますと、浄土往生したいという心ですが、実感としては「今助けて下さい」という心です。
御文章に蓮如上人は以下のように書かれています。

もろもろの雑行を棄てて一向一心に後生助けたまえと弥陀をたのめば、決定極楽に往生すべきこと、更にその疑あるべからず。(御文章4帖目14通・一流安心)

もろもろの雑行を捨てて、一向一心になって後生助けてくださいと阿弥陀仏に救われれば、死後弥陀の浄土に往生することに、疑いない身になるのだと言われています。
阿弥陀仏の救いというのは、弥陀の浄土に往生し、弥陀同体の証を開く身に救ってみせるという救いです。それを、現在生きているときに往生間違いない身に救ってみせるという本願ですから、平生業成といわれます。

「後生助けたまえ」といっても、「死んでから助けてもらおう」という心になるということではありません。後生助かる身になるのは、現在生きているときのことであり、ただ今の事ですから、ただ今救われようという心になるということです。
「後生をそのうち助けて下さい」ということではありません。
また、後生と言っても、無常はいつくるかわかりません。10年後でも、1年後でも、1日後の事でもなく、ただ今の後は後生となることがいつでもあります。ですから、後生といっても今助けて下さいという心のことです。

ただ今救うというのが阿弥陀仏の本願ですから、ただ今弥陀に救われて下さい。