自分が未だに救われないのは、究極的に、自分のどのような思いが邪魔をしているのでしょうか？ | Peing -質問箱-
質問箱にはこのように書きました。
縮めて言えば「助かると思っている事」となります。ここから派生して「助からない自分と思えれば助かる」と思っているのも「助かると思っていること」の一部です。
これに加えて書きます。
「自分はなぜ救われないのか」「何が邪魔をしているのか」という疑問は、私も考えたことがあります。
そのように考えて、「よりよい環境」「良き先生」を探す人もいます。また、質問された方のように自分の中にその原因を探す人もいます。
どちらも共通しているのは「本来なら助かる私が何かの要因によって助かっていない状態になっている」という点です。
確かに阿弥陀仏の本願は、すべての人を相手に必ず浄土に往生させて仏にしてみせると誓われています。その意味では「私も助かる」のは違いありません。
ただ、そのように聴聞をしていると「阿弥陀仏が私を助ける」という話が、いつの間にか「私が助かる」というように変わっていってしまっているのです。
阿弥陀仏がなぜ本願を建てられたかと言えば、私が「助からないもの」と見てとられたからです。「助からない私」に大慈悲を起こされたのが、本願の起こりです。
ですから、先の「阿弥陀仏が私を助ける」は、言い換えると「阿弥陀仏が（助からない私と見られた）私を助ける」ということです。その意味で私はどこまでいっても「助かる私」ではないのです。
「助かる私」が何かに邪魔されて助からないのではありません。「助からない私」が「助かる私という前提」であれこれ考えても、その前提がそもそも違っているということです。
(7)
生死の苦海ほとりなし
ひさしくしづめるわれらをば
弥陀弘誓のふねのみぞ
のせてかならずわたしける（高僧和讃）
生死の苦海に久しく沈んでいるのが私です。阿弥陀仏は私を「乗せて」必ず渡して下さいます。
何かが邪魔して助からないのが私ではありません。
助からない私とみてとられた阿弥陀仏が、私を助けて下さいます。ただいま助ける南無阿弥陀仏にただいま救われて下さい。
