安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

「機法二種深信の機法とは何ですか?機法一体の機法との違いとは?」(西玉子さんのコメントより)

西玉子さんよりコメントを頂きました。有り難うございました。

西玉子 2013/05/09 11:22
こんにちは。山も山さん。機法二種深信の機法とは何ですか?機法一体の機法との違いとは?宜しくお願いします。南无阿彌陀佛 ナモ 阿彌陀 佛 南無阿弥陀仏 合掌。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20130505/1367704256#c1368066122

機法二種深信とは、善導大師の書かれたものから今日そのように読んでいる言葉です。機法二種一具の深信とか、二種深信と呼ばれています。この(機法)二種深信は、他力の信心とはどういうものかをあらわされたものです。


二種深信は、機の深信と法の深信と二種の深信という形で書かれています。そこで機法二種深信の「機法」とは、それぞれ「機の深信」の「機」と「法の深信」の「法」のことをいわれたものです。


親鸞聖人は教行信証に引文されています。

〈二者深心〉。深心といふは、すなはちこれ深信の心なり。また二種あり。
(機の深信) 一つには、決定して深く、自身は現にこれ罪悪生死の凡夫、曠劫よりこのかたつねに没し、つねに流転して、出離の縁あることなしと信ず。
(法の深信)二つには、決定して深く、かの阿弥陀仏の四十八願は衆生を摂受して、疑なく慮りなくかの願力に乗じて、さだめて往生を得と信ず。(教行信証信巻より_観無量寿経疏散善義引文_浄土真宗聖典 (註釈版) 第ニ版P218・改行と色を加える)

http://goo.gl/DqVem

上記で、機の深信の部分は青、法の深信は赤で色をつけました。
機の深信の「機」とは、阿弥陀仏に救われる私のことを言われています。「深信」は、疑い無く知るということです。
法の深信の「法」は、阿弥陀仏が私を救うお働きのことを言われています。それを疑い無く知ることを「法の深信」といいます。


もう少し具体的に書きますと、機の深信の「機」は「出離の縁あることなし」の私のことで、自力では生死を離れることができないことをいいます。法の深信の「法」は「阿弥陀仏の四十八願は衆生を摂受」するものであり、その本願力に乗ずれば「さだめて往生を得」るお働きであるということです。


それに対して、蓮如上人の御文章でいわれる機法一体の「機法」は「機」だけで他力の信心をいわれ、法は阿弥陀仏のお働きをいわれたものです。