安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

補足・「盤特がともがらなりともたもちやすく」されたのが南無阿弥陀仏

前回の補足です。
以前紹介した唯信鈔の終わりの方に以下のように書かれています。

さてつぎに、第十八に念仏往生の願をおこして、十念のものをもみちびかんとのたまへり。まことにつらつらこれをおもふに、この願はなはだ弘深なり。名号はわづかに三字なれば、盤特*1がともがらなりともたもちやすく、これをとなふるに、行住座臥をえらばず、時処諸縁*2をきらはず、在家出家、若男若女、老少、善悪の人をもわかず、なに人かこれにもれん。(唯信鈔・浄土真宗聖典(註釈版)P1341

17願の次に18願を発されて、念仏する者を浄土往生させると誓われました。周利槃陀伽(しゅりはんだか)でも、称えられるように南無阿弥陀仏となりました。在家でも出家でも、老若男女、善人悪人を差別せず、そこに漏れる人はありません。

19願で誓われた行が出来た人を救うとなれば、必ずそこから漏れる人が出てきます。
17願で、諸仏が褒め称えている名号は、南無阿弥陀仏それ自体に私を救う働きがあります。そのため、どんな人が称えたとしても、その称えた人の能力や善悪によって左右されることなく、平等に浄土往生させてくださいます。

*1:盤特・・周利槃陀伽のこと。

*2:【左訓】「よろづのことなり」