安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

救われる「道」はありません(頂いた質問)

阿弥陀仏は本願を建てられ、救われる為の道を教えられたとあるところで聞きました。そうすると、その「道」を進まねばならないと思ってしまいます。(頂いた質問)

阿弥陀仏が本願を建てられたのは、私が生死を離れ浄土往生させる為でした。
しかし、どれだけ素晴らしい浄土を建てられても、道を造ればその道を進めない人は、浄土に往けないことになってしまいます。
家の中のわずかな段差でも、体が不自由になればそれに躓いてしまうので、最近ではバリアフリーの住宅も増えています。まして、何かの「道」となれば、距離やその道の険しさによって進める人も、進めない人も出てきます。

阿弥陀仏は浄土は私で造ったから、そこまでは自分の足で来て下さい、道路もちゃんとつくりましたからという仏様ではありません。
自らよりそって、必ず連れて行くぞと働いて下さるのが南無阿弥陀仏です。現在阿弥陀仏の本願を聞かれている方は、道を自ら進むのではなく、南無阿弥陀仏の仰せを聞くばかりです。