安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

もっと苦しまねばならないという道は、行き止まりの道(頂いた質問)

今は、これも自力、あれも自力と、悩んでは同じ所をぐるぐるとまわっているような感じです。もっと、苦しみが増せばこの状況から進んでいけるのではないかと思います。(頂いた質問)

考えても、答えが出ないときがあります。真面目に、考えられる方には同じ場所を往ったり来たりと、それこそ流転輪廻の姿になることもあります。
もっと苦しめばというのは、いわゆる血みどろの戦いといいますか、自力との戦いという「戦い」というものを想起されているのだと思います。
しかし、その「戦い」の相手は、いわゆる仮想敵で実際にいるわけではありません。自分以外の何かがあってそれを相手に戦っているのではありません。戦った末の勝利が、信心ではありません。
阿弥陀仏のただ今救うの仰せを聞いたのが信心です。「これを倒さねば、これに打ち克たねば」という道には、ゴールがないのです。
ただ今救われるのは、道の先に救いがあるからではなく、本願の仰せを聞いたのが信心だからです。
ただ今必ず救われます。