安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

「親を邪魔だと思ったら、五逆罪で地獄へ堕ちるのでしょうか?」(頂いた質問)

「親を邪魔だと思ったら、五逆罪で地獄へ堕ちるのでしょうか?」(頂いた質問)

おそらく、親鸞聖人御消息のお言葉から出た質問だと思います。該当箇所を以下に揚げます。

おやをそしるものをば五逆のものと申すなり、同座せざれと候ふなり。されば北の郡に候ひし善証房は、おやをのり、善信(親鸞)をやうやうにそしり候ひしかば、ちかづきむつまじくおもひ候はで、ちかづけず候ひき。(浄土真宗聖典 (註釈版) 第ニ版P745)

http://labo.wikidharma.org/index.php/親鸞聖人御消息#P--745

大体の意味を書くと、親を謗る者は五逆罪を犯しているものといい、同じ場所にいてはなりません。ですから、常陸の国にいる善証房は、親をののしり、親鸞を謗っているから近づいてはなりません。といわれています。


ここでは、「おやをのり」(親を罵り)といわれています。心の中で何か思ったことまではいわれていません。
しかし、実際に親を罵ったことがある人も少なくないと思います。


そこで「親を罵ったから自分は地獄行きだ」と悲観する必要はありません。なぜなら、そういう私を助ける南無阿弥陀仏があるからです。さらに言えば、地獄であれ、畜生であれ、生死を離れることが出来ないという点では、どれも変わりません。生死を離れ仏になるのには、南無阿弥陀仏を聞いて疑い無い身になるしかありません。


心情としては、私も親に散々心配をかけ、また口論もしてきたので、五逆罪を作り地獄へ堕ちて当然の者です。それでも、ただ今助ける本願があるということは大変有り難いことです。過去を悔いても救いはありません。ただ今救う法に、ただ今救われて下さい。その際に、過去の自分の罪が帳消しになるということではありません。ただただ、阿弥陀仏は救って下さいます。