前回のエントリーに関して思ったことを書きます。
私は、このブログで「ただ今救われてください」「ただ今助けるのが阿弥陀仏の本願です」と書いてきました。
しかし、「ただ今救われると聞きますが、どうしたら助かるのですか?」という質問をよく受けます。これは言い替えると「ただ今助けると聞きますが、何時助かるのですか?」と聞いているのと同義です。譬えていえば、「9時にご自宅に伺います」と言っている人に、「何時来られるのですか?」と聞いているようなものです。
そこで「ただ今」の辞書的な解説を調べてみました。
大辞林 第三版の解説
ただいま【只今・唯今】一
https://goo.gl/CfFVKR
[2] ( 名 )
〔「今」を強めた言い方で,「今」よりも丁寧な感じの語〕 (副詞的にも用いる)
(1)
今。目下。現在。 「 −の時刻は正午です」 「 −問い合わせております」
(2)
現在より少し前。ついさっき。 「 −お帰りになりました」
(3)
現在より少しあと。今すぐ。ただちに。 「 −うかがいます」 「 −まいります」
二
[4][0] ( 感 )
〔「ただ今帰りました」の略〕 外出から帰ったときの挨拶(あいさつ)の言葉。 「『−』,『お帰りなさい』」
これを見ると、私たちの生活で「ただ今」は、本当の意味では「ただ今」の意味で使っている場面は、少ないのではないでしょうか。
多くの場合は(3)の
(3)
現在より少しあと。今すぐ。ただちに。 「 −うかがいます」 「 −まいります」
で使っている場合が多いと思います。
たとえば、どこかの料理店に入って、しばらく待っても注文をとりにくることがないときに、店員さんに声を掛けることがあります。そういう場面では、「はい、ただ今伺います」といってから、少し後に店員さんが注文を聞きにやってきます。
この場合は「現在より少しあと」の意味で使っています。
阿弥陀仏の「ただ今助ける」は、そのようなただ今ではなく、例えていえば「ただ今帰りました」の「ただ今」です。
辞書でいえば、
(1)
今。目下。現在。 「 −の時刻は正午です」 「 −問い合わせております」
のただ今です。
「ただ今帰りました」という人に、「いつ帰るのか?」と聞く人はありません。また、「ただ今の時刻は正午です」という人に「いつ正午になるのですか?」と聞く人もありません。
「ただ今助ける」の南無阿弥陀仏の仰せは、文字通り、「今。目下。現在」助けるということです。決して「現在より少し後」ではありません。
「今。目下。現在」救うという本願に、「今。目下。現在」救われて下さい。