安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

阿弥陀仏に救われた人は浄土往生が確信できるか?について考える(サイクロンさんのコメントより)

コメント欄のやりとりからご提案をいただき、標題の内容についてエントリーを書きました。

一ヶ月ごとに教義が変わる高森顕徹会長(宗教法人浄土真宗親鸞会会長)3月座談会と、4月22日座談会で無碍の一道の説明が変わった件 - 安心問答(浄土真宗の信心について)のコメント欄で、すでに議論がなされている部分について、コメントを引用してまとめてみました。内容をわかりやすくするために、標題に関係あるところのみを抜粋し、それ以外の部分はこちらで省略しました。理由は、なるべくコンパクトにするためです。

以下引用

サイクロン 2012/05/08 12:15
浄土往生が確信されていないことを、「行き先が分からない飛行機のようになぜ生きるかがわかからないこと」と例えているのであれば、話の筋は通っているように思いますが。
浄土往生が確信されていないということは、最悪、地獄に堕ちる可能性があるという意味では、後生は間違いなく一大事ではありませんか。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336446951

サイクロンさんは、ご自分で

サイクロン 2012/05/09 17:33
(略)
私は信心をいただいている者です。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336552439

と言われています。


サイクロン 2012/05/08 12:15の発言は、標題からいうと、「阿弥陀仏に救われた=浄土往生が確信されている=信心」という意味になります。

なぜそうなるのかについては、ハリケーンさんのコメントで説明されている通りです。

ハリケーン 2012/05/11 02:46
(略)
>浄土往生が確信されていないということは、最悪、地獄に堕ちる可能性があるという意味

浄土往生が確信されている、確信されていない、で信心を定義していますよね。
「浄土往生が確信された(=救われた)ならば、地獄に堕ちる可能性がない」という意味ですよね。

そうでなければ、あのコメントは無意味でした、と認めたことになります。行き先がわかるということをしきりに主張していたのですからね。

そうでなければ、あのコメントは無意味でした、と認めたことになります。行き先がわかるということをしきりに主張していたのですからね。

16.獲信したら三世がはっきりするのか
親鸞聖人 浄土へまゐるべしとも、また地獄へゆくべしとも、定むべからず

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サイクロン氏 地獄一定と極楽一定の自己がはっきり知らされる

親鸞会に入ると、嘘をつくことに罪の意識は全くなくなることの実例です。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336672001

ここで、「浄土往生の確信の有無」が問題になります。別の言い方をすると、阿弥陀仏に救われたら浄土往生の確信があるのか、ないのかということです。


これについては、以前の議論でも、今回のコメント欄でも、執持鈔のお言葉が根拠となります。私も同意見なので、以下ハリケーンさんのコメントより

ハリケーン 2012/05/11 03:18
救われています。
執持鈔を否定する貴方には分からないでしょうが、


往生ほどの一大事、凡夫のはからふべきことにあらず、ひとすぢに如来にまかせたてまつるべし。すべて凡夫にかぎらず、補処の弥勒菩薩をはじめとして仏智の不思議をはからふべきにあらず、まして凡夫の浅智をや。かへすがへす如来の御ちかひにまかせたてまつるべきなり。これを他力に帰したる信心発得の行者といふなり。

さればわれとして浄土へまゐるべしとも、また地獄へゆくべしとも、定むべからず。故聖人[黒谷源空聖人の御ことばなり]の仰せに、「源空があらんところへゆかんとおもはるべし」と、たしかにうけたまはりしうへは、たとひ地獄なりとも故聖人のわたらせたまふところへまゐるべしとおもふなり。


こういうことです。信前には阿弥陀仏に死後の行き先をまかせていません。信後は阿弥陀仏に死後の行き先をまかせています。
(略)

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336673891

ハリケーン 2012/05/11 03:38
(略)
執持鈔からいえることは、

他力の信心とは

・往生ほどの一大事、凡夫のはからふべきことにあらず、ひとすぢに如来にまかせたてまつるべし
・われとして浄土へまゐるべしとも、また地獄へゆくべしとも、定むべからず
・善悪の生所、わたくしの定むるところにあらず

であり、

・源空があらんところへゆかんとおもはるべし
・たとひ地獄なりとも故聖人のわたらせたまふところへまゐるべしとおもふなり
・善知識にすかされたてまつりて悪道へゆかば、ひとりゆくべからず、師とともにおつべし

なのです。
簡単に言えば、

死後行くところもすべて阿弥陀仏にお任せしている

であり、我々と親鸞聖人との関係でいえば、

親鸞聖人の行かれる所へ一緒に行くだけ

ということです。これが分からない人は信心が親鸞聖人と異なるということですね。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336675119

これに対するサイクロンさんのコメント

サイクロン 2012/05/12 01:11
(略)
ハリケーンさん

>死後の世界については何もわからない、曖昧なのですよ。

親鸞聖人の御言葉

●真実信心うるひとは
 すなわち定聚のかずにいる
 不退の位にいりぬれば
 かならず滅度にいたらしむ
(浄土和讃)

信心決定したなら、死後かならず浄土に生まれると仰有られています。

>死後行くところもすべて阿弥陀仏にお任せしているであり、我々と親鸞聖人との関係でいえば、 親鸞聖人の行かれる所へ一緒に行くだけと

親鸞聖人の御言葉

●我が歳きわまりて、安養浄土に還帰すというとも、和歌の浦曲の片男浪の、寄せかけ寄せかけ帰らんに同じ。
(御臨末の御言葉)

その親鸞聖人は、浄土にいかれると仰有られていますが、貴方自身にはそれが知らされないのでしょうか。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336752672

これに対するハリケーンさんのコメント

ハリケーン 2012/05/12 04:40
(略)
では根拠に基づいて説明しましょう。

『高僧和讃』曇鸞讃に

六十有七ときいたり
 浄土の往生とげたまふ
 そのとき霊瑞不思議にて
 一切道俗帰敬しき

また法然讃に

本師源空命終時
  建暦第二壬申歳
 初春下旬第五日
 浄土に還帰せしめけり

とありますね。
曇鸞大師には遇われたこともないのに、法然上人の臨終に立ちあわれたのでもないのに、なぜ浄土往生されたと断言されたのでしょうか。
それは、信心を獲ておられることを信じておられ、経典そして高僧方の教えを信じておられたから、理屈でそのように断言されたのですね。
これは御自身のことでも同じです。貴方は徹底的に執持鈔を排除されますが、地獄も浄土も、凡夫に分かる訳がないのです。分からないが、経典と高僧方の仰せ信じているから、自分も阿弥陀仏にお任せした以上、浄土に往くに違いない、と信じるに過ぎないのです。

まとめましょう。

自力・・・自分で浄土に往ける地獄に堕ちると決めつける
他力・・・阿弥陀仏にすべてお任せ(経典・お聖教の通りに師と共に往生できると信じている)
異安心・・・浄土が分かってその浄土に往けるチケット(信心)を持っている

こういうことですよ。
ちなみに、仏法に遇えなかったらどうなるかについて、執持鈔での親鸞聖人のお言葉は、地獄、悪道、六道とぶれているのです。死後のことは、何もわからないから、経典に当てはめて地獄だろうな、三悪道だろうな、一般論として六道だな、という程度です。
地獄一定などとはっきりする訳ないです。

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336765254

加えて、春の嵐さんからサイクロンさんへの質問

春の嵐 2012/05/12 05:22
サイクロンさん

ものすごく基本的な事を聞きます。答えてくださいね。

サイクロンさんの側から「浄土に往くと、ハッキリしているのですか」

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20120507/1336331810#c1336767758

阿弥陀仏に救われたら、浄土往生の確信があるのかないのか、については、私は「ない」という立場です。根拠は、上記に引用したハリケーンさんのコメントと同じです。

そこで、あらためてサイクロンさんにお尋ねします。春の嵐さんのコメントにある通りですが「サイクロンさんの側から浄土に往くと、ハッキリしているのですか?」

私見ですが、どうもそれをもって、サイクロンさんは「信心を頂いている者です」といわれているように思います。(違っていたらすみません)

このエントリーのコメントについては、「浄土に往くと、ハッキリしている」の有無についてでお願いします。また、ハンドルネームは、一人につき一つで固定して下さい。一人で複数変えたと私が判断したものに関しては削除しますのでよろしくお願いします。