安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

「今はただ今救われようと思えないのですが」(頂いた質問)

ただ今救われようと思ったときにはどうしたらよいのでしょうか?なかなか自分はそうは思えないのですが。(頂いた質問)

「現在自分はただ今救われようと思えないから助からない」の考えは、間違いです。阿弥陀仏の救いはやる気になった人を助けるという本願ではないからです。
どれだけやる気になったとしても、またその上でどれだけ行を励んだとしても自らの力で生死を離れることができない私のために、阿弥陀仏は本願を建てて下さいました。
「なかなかただ今助かると思えないから助からない」は、裏を返せば「そう思えるようになったら助かる」という考えです。

しかし、未来に「ただ今助かると思えるようになったら」というのなら、今そう思って下さい。いつか出来ることならば、今思って下さい。

できないなら、阿弥陀仏の本願を聞いて下さい。そんな強い気持ちが起こせる人も、起こせない人も等しく阿弥陀仏はただ今救うと呼びかけておられます。

弥陀・観音・大勢至 大願のふねに乗じてぞ
 生死のうみにうかみつつ 有情をよばうてのせたまふ(正像末和讃53・浄土真宗聖典(註釈版)P609

阿弥陀仏が生死の海に乗り出して私を呼び続けておられます。その横で、「救助してもらおうという気になったら助けてもらおう」と言う人はありません。
思えても思えなくても、私を呼び続けておられるのですから直ちに聞いて大願の船に乗せて頂きましょう。
できない理由を自分の中に作っていると、「それができたら」という考えに留まってしまいます。「今はできないけど、いつかはこうなる」という考えは、自分に希望を持っているのですから自らをたのんでいる心です。そこから離れて、阿弥陀仏にまかせて下さい。