仏の側からの願いというのはよく分かるのですが、なぜに私達の側から必ずといえるのでしょうか？（頂いた質問）
理由は、本願に疑い無いからです。
言葉でいえば、阿弥陀仏の本願は「私をただ今救う」という本願です。その本願を聞いて疑い無いとは、「私はただ今救われる」となります。
一般の願いと違うのは、願いと言った場合は現在実現していないことを、未来実現する（したい）ときに使うからです。
「星に願いを」といえば、現在実現していないことを願う時に使う言葉です。
しかし、阿弥陀仏の本願はすでに成就しているので、願いを願い通りにする働きは南無阿弥陀仏となってただ今完成しています。
疑っているとは、まだその働きはないと思っている私の計らいです。しかし、疑っている以上は、「どうして阿弥陀仏がただ今救うと言われているからといって、私がただ今救われるとなるのだろうか」という疑問は出てくると思います。
きくといふは、本願をききて疑ふこころなきを「聞」といふなり。またきくといふは、信心をあらはす御のりなり。「信心歓喜乃至一念」といふは、「信心」は、如来の御ちかひをききて疑ふこころのなきなり。（一念多念証文）
私の側では、本願を否定するものが一切無い以上は、本願のただ今助けるを聞いて、私にとってはただ今助かるの信心となります。
