安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

阿弥陀仏は摂取して捨てられない働きそのものです(頂いた質問)

阿弥陀仏が実際にはたらいておられるということがよくわかりません(頂いた質問)

回答します。
阿弥陀仏の本願は、現在ただ今私を助けようという阿弥陀仏の願いでありお働きです。それが実際にそのように思えないという人の中には、阿弥陀仏の本願を思想のように思っている人もあります。しかし、現実に働かれる阿弥陀仏の救いは、思想のような一つの体系的にまとまった考えとは全くことなるものです。

観無量寿経の中で、お釈迦様が韋提希夫人に対して「苦悩を除く法を分別し解脱すべし」と仰ったときに、その声に応じて阿弥陀仏が現れられました。これは、阿弥陀仏が「苦悩を除く法」そのものであるということの現れです。
「阿弥陀仏」という仏様は、仏のさとりをひらかれた方というだけではなく、「ただ今救うぞ」とまた「摂取して捨てず」と招喚し続けておられる、働き続けておられるお働きそのものです。
それを親鸞聖人はご和讃にこのように言われています。

十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし
 摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる(浄土和讃82

阿弥陀というお名前がそのものが「おさめ、たすけ、すくう」という阿弥陀仏の働きかけそのものです。働いておられるらしいではなく、実際に働いておられるのが阿弥陀仏ですからただ今救われます。