安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

「三願転入の教えのみ教行信証に説かれている」のでしょうか?(頂いた質問)

「三願転入の教えのみ教行信証に説かれている」と、聞きましたがどういう意味でしょうか?(頂いた質問)

三願転入の御文は、教行信証にかかれてありますが、「三願転入の教え」という言葉はありません。

親鸞聖人の教えとは、教行信証教巻の冒頭にあるとおりです。

つつしんで浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり。一つには往相、二つには還相なり。往相の回向について真実の教行信証あり。(教行信証教巻

浄土真宗とは、二種の回向(往相回向、還相廻向)です。言葉を換えれば本願力回向が浄土真宗です。本願力回向とは、阿弥陀仏が私を救うためにご自身の全ての徳を名号にあらわされ私に与えて下される働きのことです。私の善根を阿弥陀仏に差し向けることではありません。

続けてこう言われています。

ここをもつて如来の本願を説きて経の宗致とす、すなはち仏の名号をもつて経の体とするなり。(教行信証教巻

阿弥陀如来の本願(第18願)を説くことが、大経の教えのもっとも大事なところであり、すなわち南無阿弥陀仏をもって経の本体とするといわれています。

本願力回向であり、南無阿弥陀仏が親鸞聖人の教えです。
ですから親鸞聖人の教え、教行信証にお書き下された浄土真宗の教えとは、本願力回向であり、第18願であり、南無阿弥陀仏なのです。
「三願転入の教えのみ教行信証に説かれている」のではありません。