安心問答−浄土真宗の信心について−

浄土真宗の信心についての問答

安心問答を始めた理由と、真宗の「高速道路」について考える

KSANNよりコメントを頂きました。有り難うございました。

『安心問答』は、親鸞会の講師部でブログ作成を推進された時の試作として始められたものだ、と二人の現役講師から聞きました。
講師歴30年以上の超ベテラン講師方のセリフですから、講師部の上層部ではそういうことにしているのでしょう。
先生御自身、安心問答を読んで(勉強して?)いるとの話もあるので、説法の内容もここ最近は相当気をつけている様です。(KSANNのコメント)

http://d.hatena.ne.jp/yamamoya/20090914/1252927542#c1253228854

質問ではないのですが、現在親鸞会ではそのようにいわれているのだということを初めて知りました。

私がこのブログを始めたのは、親鸞会の講師部でブログ作成を推進された時期ですが、試作として作ったものではありません。元々匿名で始めたのは、清森問答にコメントをされた「元自称福徳会員」さんの発言内容に対してブログ上で反論を展開するためだったからです。


その清森問答でコメントをされた内容が、そのとき親鸞会会員の方が、支部長に質問したものと同じ内容だったようで、私もどこかで耳にしたことがある内容でした。誰がコメントをしたのかはわかりませんが、その元自称福徳会員さんの質問に対してついたコメントが、「本願寺なぜ答えぬ」をそのまま貼り付けたようなもので、十分な回答になっていませんでした。

その元自称福徳会員さんになんとか、親鸞聖人の教えを分かっていただこうと思いました。しかし、質問内容に正確に回答しようと思うと、いわゆる「親鸞会教学」の枠をどこかで外れないと回答することはできないと判断し、親鸞会内部では誰にもいわずに始めました。


親鸞会の講師部という立場上は、「なぜ答えぬ」などで定義された「善のすすめ」とあわないことを書くと「教義違反」とみなされます。当時は、親鸞会から離れた人(または除名された人)の話を、親鸞会の内部にいる人はなかなか耳を傾けることはないという現実をよく知っておりましたので、なんとか親鸞会内部にいるという立場で、有縁の方に教えを伝え、なんとか真実信心を獲得して頂きたいと考えておりました。

その後、親鸞会を離れることとなりましたが、このブログが親鸞会内部の人で読まれている方があれば、それはそれでよいことだと思います。

以前読んだウェブ進化論という本に、将棋の羽生善治名人がインターネットの登場を、このように言っていたのを思い出しました。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

「ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気にしかれたということです。でも高速道路を走りぬけた先では大渋滞が起きています。」
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)より)

将棋の世界では、ITとネットの進化によって、若い人は過去の棋譜をどんどん学び、プロの一歩手前のレベルまでもの凄く早いスピードで到達できるようになったそうです。これを羽生名人「高速道路」と表現しました。そういう中で、名人として勝ち続けるのはまた難しいそうです。

浄土真宗の布教、または教えを聞く際も、この高速道路の波がやってきたのだと感じています。親鸞会に限らず、勉強をする気のある人なら、昔のちょっとした布教使レベルの学問はすぐに身につく時代です。

ネット上で教義的な批判があちこちでなされているのも、以前ではそれなりに専門の勉強をしなければわからないことが、高速道路が敷かれたことにより、多くの人がわかるようになったことが原因です。
そういう時代にあって、布教する立場の人間は、昔の布教使以上に勉強をする必要があると感じています。仏法を聞かれる方は、高速道路によっていろいろ勉強しておられます。文字だけであらわせない、真実信心を獲得していなければ、布教使も、知っているだけではなおさら務まらない時代になりました。
本来そうなのですが、なおさら自信教人信でなければならないと思います。